完璧主義をやめたいと感じていても根本にある価値観・固定観念が邪魔をしてなかなかやめることはできません。
やめるためには少しずつ自分のマインドを変えていく必要があります。
目新しいことはないかもしれませんが「自分のことである」と頭に理解させることから始めてみましょう。
早速見ていきます。
目次
完璧主義の傾向
完璧主義の人には3つの傾向があります。
それぞれのバランスは人によって異なると思いますが、自分の傾向はどれかをまずは確認してみましょう。
- 0か100かで考える
- 理想が高い
- 否定されることを恐れる
1つめは一つの成果を0点か100点で考えてしまうこと。
完璧を求めるあまり、ちょっとしたミスや妥協が許せません。
ちょっとしたミスでも自分の中で肥大化させ自己嫌悪に陥り「自分はダメだ…」と評価をしてしまいます。70点、80点の完成度というのもあるのにです。
2つめは理想が高すぎること。
理想が高すぎるために結果だけではなく、そこに至るプロセスからスタートの切り方までこだわります。
一つのタスクに膨大な時間がかかってしまうタイプの思考です。
3つめは否定に対して強い恐怖感があること。
人の目や評価を気にしすぎるあまり失敗やミスを恐れすぎて動けなくなってしまうタイプの人です。挑戦やなにか新しいことの提案も苦手です。
いかがですか?
自分はどの傾向が強いか分かりましたか?
それを踏まえた上で完璧主義をやめる方法についてみてきましょう。
完璧主義をやめる方法
完璧主義は「悪」だと考える
完璧主義の人が完璧主義をやめられないのは根本的には「完璧主義は悪いものではない」と思っているからです。
「ミスはないほうがいいに決まっている」
「下調べを入念にすることの何が悪いのか?」
と心の底では完璧主義を肯定したい自分がいるのです。
厳しい言い方になりますが完璧主義は「悪」でしかありません。
確かにミスもなく仕事も完璧にこなす人は実際にいますが、そういった人たちは完璧主義なのではありません、完璧超人なんです。
完璧超人達をみならい自分もそうあろうとするも同じ土俵に立てず時間・コスト・経験などを失っているのが完璧主義の人です。
自分は超人ではなく同じやり方では時間も生産性も失っているとまずは認識することからはじめましょう。
速さも評価の1つであると知る
「時は金なり」なんて言葉があるように時間はコストです。
完璧主義の人はついつい大切な”時間”をかけて一つのことを完璧に仕上げようとしてしまいます。
しかし評価する側にとって”速さ”も評価の1つであるということを忘れてはいけません。
人間というのは不思議なもので「素早く仕上げたもの」に対しては例え粗い仕上がりでも大目にみる傾向があります。
逆に「時間をかけて仕上げたもの」に対しては時間がかかった分の完成度を求められてしまうもの。
つまり時間がかかればかかるほど人の目は厳しくなってしまうんです。
粗い仕上がりでも素早ければそれだけ修正する時間の余裕も生まれます、修正点も明確になるため一人でうんうん完璧を求める人よりもさっさと仕事を進めることができるのです。
”素早く仕上げる”ことも評価の1つだと思って、パパっと済ませる意識を持ちましょう。
中長期的な視野を持つ
完璧主義の人は目先の仕事に集中するあまり全体のことが見えていません。
目先の仕事・・・つまり短期的な利益を最大限にしようと取り組んでしまうのです。
たしかに一つ一つの仕事の完成度は大切ですが、仕事はトータルで考えるもの。
1つ1つの仕事を丁寧に仕上げていたために納期までに半分しか仕事が進んでいない・・・なんて事態になっては本末転倒です。
完璧主義の人は短期的な利益ではなく中長期的な利益を最大にするにはどうしたらよいか?と思考の癖をシフトしましょう。
納期のあるプロジェクトであれば今は何をすべきなのか?どこに注力すべきなのか?いついつまでにどこまで終わらせる必要があるか?といった全体像が見えるようになります。
新しく事業を起こしたいという場合も、中長期的な視野を持っていれば下調べにかける時間はここまで!と区切りをつけたり半年後までに利益を出すために仮組だけでもホームページを仕上げねば、といった具合に自分の取るべき行動が見えてきます。
目先の仕事に集中しすぎているなと感じたら、一度頭を切り替えて全体像を把握するようにしてみましょう。
2つ上の上司の視点で考える
中長期的な視野の項と重なるところもありますが、自分から見て2つ上の上司の視点から仕事を見るのもの完璧主義をやめるには効果的です。
あなたに役職がないのであれば係長の視点で、主任であれば課長の視点といった具合です。
上司の視点から仕事を考えてみると・・・
- 今自分は何をすべきなのか?
- 自分が今仕上げている仕事はもっと早く見せてほしいだろうな。
- 最優先事項はなにか?
- どこにリスクがあるか?
といったことが見えてきます。
また上司の立場から見たら「ちょっと粗くても要領よく仕事を終える社員」と「いつまでも残業してなかなか成果を見せにない社員」とではどちらが評価されるか簡単に分かると思います。
制限を設ける
完璧主義の問題は時間を浪費しながらも成果が上がらないこと。
だらだらと残業して作業をしないよう時間制限を設ける習慣を持ちましょう。
例えば1時間で仕上げる仕事があったら、50分で必ず終わらせる。
「今日中に」と言われたら残業はせず定時までに。
と普段の自分よりも厳しい時間を設定するのがポイントです。
人はここまでに終わらせなければいけないと制限がかかると集中力が増すものです。
慣れてきたら1時間のものは30分でとさらに追い込むと短期的に仕事を終える癖もつきますし、集中力も生産性も上がりますよ。
最後に
完璧主義の人には厳しい書き方になってしまいました・・・
今回は「力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣」という書籍を参考に、その中でも思考・マインドセットに関わる部分を抜粋してご紹介しました。
目新しいものは多くないですが完璧主義をやめるための気持ちの切り替え方や方法について他にもたくさん載っていますので気になる方は是非よんでみてくださいね。
参考文献:古川武士『力の抜きどころ 劇的に成果が上がる、2割に集中する習慣 』(2014) ディスカヴァー・トゥエンティワン