フードマイレージとは?日本とその問題点

フードマイレージとは?

航空機

フードマイレージ=Food mileageとは簡単にいうと「食料の輸送距離」という意味。
食料の重さ(t)×輸送距離(km)をかけたt・km(トンキロメートル)で計算されます。

海を跨ぎ国家間で取引を行うような長大な距離を飛行機や船舶、トラック、鉄道などで運ぶと多くのエネルギーが消費されてしまいます。
加えて排出されるガスによる大気汚染、CO2による温暖化などのリスクが増大します。

また輸送によってかかる機材や時間などのコストがどれだけ大きいかを判断するための指標にもなります。

フードマイレージは1994年にイギリスの消費運動家であるティム・ラング氏が提唱した「フードマイル」という言葉が元。(フードマイル=食料の生産地から消費地までの距離の意)

きこり
フードマイレージで計算される「食料品」の範囲はけっこう広くて、コーヒーやマテ茶といった嗜好品に加えてタバコも含まれています。

 

日本のフードマイレージ

オフィス街

日本では2001年に農林水産省政策研究所が食料の長距離の輸送による環境汚染(CO2の排出)やエネルギーの消費を目に見える形にするためフードマイレージを導入しています。

「相手国別の食料輸入量」×「輸送距離」で算出される数値を指標とし、環境への負荷を軽減するため地産地消を積極的に進めるよう提案しています。

フードマイレージの数値が大きければ大きいほどそれだけ食料輸入で環境に悪影響を与えていると意味なのですが…残念ながら日本はワースト1位。

世界のどの国よりも食料を輸入するためにエネルギーを消費し大気汚染をしているのが日本なのです。

日本の食料自給率
日本の食料自給率(カロリーベース)は2017年で38%。
政府は2015年までに食料自給率を45%にすると目標に掲げていましたが達成できていない…むしろ緩やかに減少しているのが現状です。
・2000年 ⇒ 40%
・2005年 ⇒ 40%
・2010年 ⇒ 39%
・2015年 ⇒ 39%
とほぼ横ばいですが緩やかに食料自給率は減少しているのです。
 
日本のフードマイレージは
  • 2001年は約9000億(t・km)
  • 2010年は少し減少し約8600億(t・km)

韓国やアメリカの実に3倍近くの数値をたたき出しており、圧倒的ワースト1位に君臨しているんです。

また食料輸入の6割近くをアメリカに依存している形になっています。

きこり
輸入した食料の中でも特に穀物の割合が多いです。
というのも日本では畜産業が増加傾向にあり、その飼料として穀物を輸入しています。(輸入した穀物の約6割が飼料に!)

できるだけ地産地消をしていきたいですね。

フードマイレージの問題点

地球を抱える手

フードマイレージは聞きなれない言葉かもしれませんが、「食料の輸送距離」という非常に分かりやすい概念をしていますし計算方法もシンプルです。

一般消費者に対して地産地消といったイメージしやすい対策を提案できるのがメリットです。

しかし、フードマイレージでは考慮しきれない部分が数多くあり温暖化や環境汚染の指標としては簡素過ぎるという問題があります。

具体的には

  • 輸送機関によって二酸化炭素の排出量が違う
  • 食料だけはわからない(ほかの貿易品も考慮に)
  • 生産コストや消費・廃棄に伴う環境負荷までは考えていない

二酸化炭素の排出量でいえば航空機はコンテナの70倍に相当します。

アメリカのような広い土地でコストをかけず大量に収穫を得られてかつコンテナのような環境負荷の低い輸送手段であれば、日本でコストをかけて作られた食料をトラックで運ぶ場合よりも「環境負荷が高い」ということもあるのです。

 

参考文献:

1.中田哲也『最近の日本の輸入食料のフード・マイレージの変化とその背景
-フード・マイレージからみた食料輸入構造の変化に関する考察- 』

2.松蔭大学 観光文化研究センター『観光キーワード事典ー観光文化への道標ー』(2009)学陽書房



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