「ハイオクとレギュラーの違いってなんだろう?」
「ハイオクの方が高いから質が良いのかな?」
なんて思いがちですが、ハイオクとレギュラーの違いは「ガソリンの質」ではありません。
違うのは「オクタン価」
オクタン価とはなんなのか?ハイオクとレギュラーでどう違うのか見ていきたいと思います。
目次
オクタン価とは?ハイオクとレギュラーでどう違う?
オクタン価とはなにか?
こちらのページを訪れてくださった方は初めて聞く言葉かもしれませんね。
まずガソリンですが、ガソリンは原油から蒸留して作られており、その中にはブタンやデカンといった炭化水素が含まれています。
その炭化水素の中の1つがオクタン(C8H18)です。
このオクタンが「オクタン価」の由来になっています。
ハイオクとレギュラーを作る際に、
- イソオクタン = 自己着火し難い性質
- ノルマルヘプタン = 自己着火しやすい性質
の2つを混ぜた割合によってオクタン価が決まります。
つまり”イソオクタン”の割合が多いものほど”オクタン価が高い”という言い方になります。
ではハイオクとレギュラーのオクタン価がどう違うのかというと、
- ハイオク ⇒ オクタン価96以上
- レギュラー⇒ オクタン価89以上96未満
このように日本工業規格(JIS)で決まっています。
ハイオクは”高オクタン価ガソリン”であり、レギュラーガソリンとオクタン価の高さが違うだけで質の違いがあるわけではないんですね。
オクタン価が高いと燃えにくい?
ではオクタン価の高さで何がどう違うのか?
さきほど自己着火しやすい、し難い・・・とチラッと書きましたがオクタン価の高さで「燃えにくさ」が変わります。
オクタン価が100に近いほど燃えにくく。
オクタン価が0に近ずくほど燃えやすくなります。
「んん??ガソリンは燃えやすいほうが良いんじゃないの?」
ハイオクはオクタン価が高いため燃えにくい・・・ガソリンとしてダメなのでは?と思ってしまいますよね。
ですが燃えにくいというのは”扱いやすい”ということ。
自己着火=自然発火しにくいことがエンジンにはとても重要なことなんです。
オクタン価が高く自己着火しにくい燃料は”ノッキング”という現象が起こりにくくなります。
しかし圧縮することで内部は圧力とともに”温度”も上昇します。
温度が高くなることで点火プラグで点火する前に自発火してしまうことがあり、この現象のことをノッキングといいます。
自発火することで局所的にエンジン内部の圧力が高まり、この衝撃によりキンキン・カリカリといった異音や金属音がなります。
エンジンの破損原因となるので避けたい現象です。
つまりオクタン価が高いほどノッキングを起こさないで燃料を圧縮することができるので効率良くエンジンを稼働させることができます。
ハイオクはそれだけノッキングを起こしにくく高圧縮にも耐えられるガソリンということです。
点火タイミングを遅らせることで圧力のピークから低くなっているのでノッキングを回避できるんです。ただし圧力のピークを過ぎるので燃焼効率は悪くなり、燃費がかかります。
ハイオクとレギュラーは混ぜると危険?
ハイオクとレギュラーはオクタン価が違うとお分かりいただけたと思います。ではオクタン価が違うだけなら混ぜても大丈夫なんでしょうか?
レギュラー車にハイオクを入れる場合
レギュラー車にハイオクを給油しても問題なく動きます。
むしろハイオクには燃料室内の浄化剤が添付してあるものもあるので、レギュラー車の燃料室内がきれいになり燃費が上がることも。
またハイオクの方が若干燃焼効率が良いので燃費は2~5%向上することもあると言われています。
とはいっても燃費の向上とハイオクの値段が釣り合っていないので、正直レギュラー車にハイオクを入れるメリットはそんなにあるとは思えません。
ただハイオクでも問題なく動くので、ハイオクしか給油できない状況になっても困らないのは良いかもしれませんね。
ハイオク車にレギュラーを入れる場合
注意が必要なのはこっちのパターン。
ハイオク車はオクタン価96以上の高圧縮を想定しているため、レギュラーガソリンでは必ずノッキングを起こしてしまいます。
とはいっても最近の車はノックセンサーがついているのでノッキングを起こしてしまう所まではいきませんが、それでも点火タイミングがズレるので出力や燃費は5~30%も悪くなってしまいます。
一応レギュラーガソリンでも走るようにできていますが、あくまでレギュラーガソリンしか手に入らないような緊急事態のみ。
常にレギュラーガソリンを給油して走っていてはエンジンの破損や燃料火災などのリスクがありますのでレギュラーガソリンを入れるのはいざという時だけにしてくださいね。
またハイオク車の中には専用車や指定車といったハイオクのみでしか走れない車も一部ありますので注意しましょう。
アメリカやヨーロッパの規格
日本はオクタン価の区分はレギュラーとハイオクの2通りしかありませんが、
アメリカやヨーロッパではハイ・ミドル・ローの3つのオクタン価に分かれています。
その中にオクタン価95という規格の車があるのですが、日本のガソリンスタンドにはちょうどよいガソリンがありません。
なのでレギュラーとハイオクを混ぜて(レギュラー90・ハイオク100半々)ちょうどオクタン価95に調整する方もいるそうです。
・・・ですが自分で調整するのは不安が大きいと思うのでそういう規格の車は割高ですがハイオクを入れるのが無難ですね。
最後に
専門的な言葉が多いので段階を踏んでできる限り分かりやすく書いてきたつもりですがいかがでしたか?
分かりにくいとか捕捉があれば遠慮なくコメントに記載してくださいね。
レギュラーとハイオクは本来透明な色をしているんですよ。
ハイオクのオクタン価は98~100のものが多いですね。