山椒の生の実が欲しくてもなかなか見かけませんよね。
そこで今回は山椒の生の実が手に入る時期はいつか?
山椒の実にはどんな効果があるか?
適切な保存方法は何か?
と気になるポイントをお伝えしていこうと思います。
山椒の生の実が手に入る時期
普段は香辛料として山椒を味わうことが多いと思いますが、山椒の生の実はまた佃煮にしてお酒のアテにしたりと違った楽しみがあります。香りも爽やかでピリッとした辛味が後を引くおいしさなんですよね。
そんな山椒の生の実ですが手に入る時期はとても短いのです。
毎年5月末~6月末ぐらいまでの1か月ほどしか出回りません。
しかも大型のスーパーや食品を扱っている百貨店でないと見つかりませんので山椒の”生”に出会おうと思うとなかなか大変なんです。
そもそも生山椒の実は収穫できる期間が1年のうちの7~10日間しかないといわれており、労働力の多い農家さんでないと大量に収穫できないのです。
また専門に扱っている農家さんが少なく、安定した供給源が少ないのもなかなかお目にかかれない理由です。
お店や土地によって値段は全然違うと思いますが、5月末の早い時期ほど高く、6月末の最後のほうになるほど安くなる傾向があります。
100g~1kgまで100g単位で売り分けられているので、欲しい量だけ購入できて良いですね。
山椒の生の実の見つけ方
周りで売ってないなら自分で採りに行くのも楽しいです。
山椒の木は北海道の北半分ぐらい寒いところや沖縄のように年中温かいところでなければ育つことができますので、本土の大抵のところで育つことができます。
樹高はだいたい3mほど(大きくても5m)ほどの落葉低木で、乾燥弱いのが特徴です。
自生している山椒は山野の谷沿いの傾斜地に自生していることが多く、落葉樹林の陰が見つけやすいです。(特にクリの木の下)
日光によく当たる方が山椒も育つのですが、なぜか他の木の陰になっている確率が高いので半陰性の植物なのかもしれません。
山椒の枝には特徴があり、二本の対となってトゲが生えています↓
栽培されている山椒はトゲが生えていませんが、天然の山椒はこのようにトゲが生えていますので探す際に注意してみてください。
また山椒の葉っぱには「油点」と呼ばれるものがあり、太陽に透かすと透明になりまして、潰すと山椒の爽やかな香りがするのも特徴です。
画像のような青い実であれば生山椒として楽しむことができます。
赤や黒に成熟した実は硬いので粉山椒にします。
5~6日ほど陰干しすると実が裂けて開くので、裂けた果皮のほうをすり潰せば粉山椒になります。
山椒の効果
山椒は、
- サンショウ油
- ゲラニオール
といった精油やサンショールと呼ばれる辛味成分などが特徴の薬効植物です。
中国では山椒のことを「蜀椒(ショクシュク)」といい、漢方薬の原料として活用されてきた歴史があります。
かつてはとても高価だったようです。
日本でも縄文時代以前から薬効を活用してきたといわれています。
では山椒にはどんな効果あるのか?
- 胃を丈夫にする
- 利尿作用
- 胃拡張の改善
- 胃腸の冷えを伴う痛みの改善
- 体液バランスを整える
山椒に含まれる精油が胃腸を刺激し機能を高めるので、胃腸に関する薬効が多いのが特徴ですね。
胃の出口の狭窄により内容物が流れず胃が拡張してしまう症状のこと。
胃腸の機能が改善し、体液バランスも整うので便秘に悩んでいる方にはとても効果があります。
また生理痛にも効果があり、お腹を温めると症状が和らぐタイプの方にとくにおすすめです。
山椒の実を食べすぎると意識障害や酩酊状態になることがあります。
50粒ほどで副作用が現れる恐れがあるので注意が必要です。
山椒の生の実の保存方法
山椒の実を一度にたくさん食べられないとなると適切な保存方法が必要になりますよね。
おすすめは瓶詰と冷凍保存の2通りです。
まずは瓶詰。
- 山椒をそのまま瓶に詰めるとモチが悪いので、熱湯で2~3分ほどさっと茹でて殺菌します。
- 用意した瓶の9割ほど湯通しした山椒の実を入れます。
- 軽くフタをします。
- 瓶を75度前後にしたお湯の中にいれ20分間脱気します。お湯はフタにかかってしまわないように浅めに。
- フタを固くしめ、再度煮沸殺菌する。
- 冷やしてから冷蔵庫で保存する
しっかり空気を抜き殺菌するので長く持ちます。面倒ではありますがいわゆる未開封の状態にできますので鮮度を保ったまま保存できますよ。
次は冷凍保存。
そのままジップロックにいれて冷凍庫にいれるだけでもいいですが、
- 2~3分湯通しする
- ザルにあけ、乾かす
- 真空パックにいれ冷凍保存する
するとおいしさを保ちながら冷凍保存ができるので良いですよ。
最後に
山椒の生の実はなかなか手に入りませんが、一度食べると爽やかな香りとピリッとした辛味に病みつきになり「来年も食べたいな~」と思えます。
是非5月の終わりごろになったら山椒の生の実が売りに出されていないかチェックしてみてください。
しっかり保存をすれば長く楽しめますよ!
山椒の木は「歌をうたうと枯れる」と言われるほど根が繊細です。話声の振動や強く踏みつけたりすると枯れてしまう可能性があるので注意です!