「ベリー」と名の付くハーブティーはいくつかありますが、その中でも”果実”を使ったものは主に3種類あります。
今回はその3種類のベリー系ハーブティーについて、どんな特徴があるか効果は何か?といった内容をご紹介したいと思います。
目次
ベリーを使ったハーブティーは3種類
ベリーとは、小ぶりで果肉は柔らかく水分の多い果実のことを指します。
ベリー系と聞くと真っ先にブルーベリーやストロベリーが浮かぶかと思いますが、実はミカンやブドウなどもベリーに含まれるんですよ。
その中でもハーブティーに使われるものはこちらの3種類。
- クランベリー
- チェストベリー
- ジュニパーベリー
他にもベリーと名の付くハーブティーはありますが、この3つをメインに詳しくみていきますね。
クランベリーの特徴と効果
名前 | クランベリー |
分類 | ツツジ科スノキ属 |
和名 | オオミノツルコケモモ、ツルコケモモ |
使用部位 | 果実 |
主要成分 | キナ酸、クエン酸、プロアントシアニジン、ビタミンC |
効果効能 | 尿の酸性化、尿路の感染防止、眼精疲労の緩和、視力回復 |
原産 | 欧米の寒冷地 |
クランベリーティーはとてもイメージのしやすい味をしており、ベリー系らしいほのかな甘酸っぱさと口当たりの柔らかいのが特徴です。
香りもきつくなく、ハーブティー初心者の方でも美味しくいただけると思います。
クランベリーティーの主な効果は、膀胱炎や尿道炎、尿路結石など防止です。
クランベリーに含まれるキナ酸という植物酸が尿を酸性に保つ働きをし、尿道が最近に感染するのを防いでくれます。キナ酸が腸で吸収され尿が酸性化することで大腸菌の増殖も抑えます。
他にも眼精疲労や視覚機能が落ちている時に飲むのも効果的です。
クランベリーはデリケートなゾーンに特に効果を発揮するハーブティーと言えますね。
クランベリーのおすすめブレンド
クランベリーはシングルでも十分に美味しいハーブティーですので何かとブレンドしなければ飲めないということはありません。
しかし、ブレンドすることでよりクランベリーを味わい深くしてくれるハーブもあります。
おすすめのブレンドハーブはこの2種類。
- オレンジピール
- レモングラス
オレンジピールはオレンジの皮を砕いて淹れるですが、オレンジの香りと甘味が加わり、そこに少し苦みも加わるのでよりクランベリーの甘酸っぱさが際立って美味しく感じられます。
レモングラスはその名の通りレモンの香りがするハーブ。
煮だすことでクランベリーに足りなかった”コク”を加えてくれるので全体が支えられまとまりのある味になります。
オレンジピールとレモングラスを加えることで甘酸っぱくて爽やかなハーブティーになりとても美味しくいただけますよ。
『クランベリーのブレンドの作り方』
クランベリー:オレンジピール:レモングラス=2:2:1
はじめにレモングラスを3分煮だしてから取り出し、オレンジピールは砕いて加え、クランベリーを入れて7分蒸らす。
オレンジピールはなかなか香りと味がでないのでクランべりーと同量にしています。しかしオレンジピールが強く出過ぎたなと感じる時は量を減らしてください。
香りの強さや味は好みによって違いますので好きなように比率を変えてブレンドしてみてください。
甘味が欲しいなと感じる時はステビアかリコリスをごく少量加えてから蒸らすといいですよ。
チェストベリーの特徴と効果
名前 | チェストベリー |
分類 | クマツヅラ科ハマゴウ属 |
和名 | セイヨウニンジンボク |
使用部位 | 果実 |
主要成分 | イリドイド配糖体、フラボノイド、精油 |
効果効能 | ホルモン分泌調整、催乳 |
原産 | ヨーロッパ南部、アジア西部 |
チェストベリーはベリーという名前がついていますが一見ドングリのような土色の小粒な果実をしています。
鼻を抜けるような爽やかな香りで、スッキリとした苦みを感じるのが特徴です。
ハーブティー初心者の方でも飲めるとは思いますが、クランベリーと比べると好き嫌い分かれる味かなと思います。
苦手だと感じる方はブレンドするほうがいいでしょう。
チェストベリーは特に”女性向けのハーブティー”だと言えます。
ホルモン分泌を整える作用があるので、辛い生理痛や月経前の不安定な状態、更年期の諸症状などなど女性の悩みに強く貢献してくれるハーブです。
また、産後にお乳が出にくい時にもおすすめです。
チェストベリーは脳下垂体に直接作用するので、ホルモンバランスの調整に強く影響するんです。
チェストベリーのおすすめブレンド
チェストベリーは好き嫌いが分かれる味なので飲みやすくなるブレンドを紹介します。
おすすめなのはこの2種類。
- ルイボス
- セントジョーンズワート
ルイボスはオレンジに似た香りで、深みがありながら後味はスッキリしているのが特徴で紅茶に近い感覚で飲めるハーブティーです。
ルイボスの持つスッキリとした後味とほんのり感じる苦みが、チェストベリーの苦みと芳香を馴染ませて飲みやすくしてくれます。
セントジョーンズワートは非常にマイルドで飲みやすいハーブティーです。
全く癖がなく、やさしいとろみとコクがあるのでチェストベリーの癖をマイルドにしてくれます。
ルイボスはルイボスで完結した美味しさなのでセントジョーンズワートとはブレンドしません。それぞれでブレンドします。
・チェストベリー:ルイボス=1:1
・チェストベリー:セントジョーンズワート=2:3
セントジョーンズワートはとてもプレーンな味なので少し多めにいれないとチェストベリーに負けてしまいます。
淹れる際はチェストベリーを砕いてから入れ、どちらのブレンドも5分蒸らせばOKです。
ジュニパーベリーの特徴と効果
名前 | ジュニパーベリー |
分類 | ヒノキ科ネズミサシ属 |
和名 | セイヨウネズ、トショウ |
使用部位 | 果実 |
主要成分 | 精油、フラボノイド、タンニン、ビタミンC |
効果効能 | 抗菌、利尿、駆風、消化促進 |
原産 | 北半球の寒い地域 |
ジュニパーベリーは黒い小粒の果実で『ジン』の香りづけに使われることで知られていますね。
森林の中にいるような香りと、スッとくるスパイシーな風味が特徴です。じゃっかんの甘味もあります。
お酒のジンが好きであればハーブティーのジュニパーベリーもおいしく飲めると思います。
ジュニパーベリーはクランベリーと同じく泌尿器系の感染症を防ぐ効果があります。また、ガスでお腹が張ってしまったときに、発生したガスを抑えてくれる効果も。
むくみで悩んでいる人にもおすすめです、体内に溜まった毒素や余った水を排出してくれますよ。
まず妊娠中の飲用は避けること、炎症をともなう腎臓疾患がある方も避けてください。また、4~6週間以上の長期飲用は避けてください。
ジュニパーベリーのおすすめブレンド
ジュニパーベリーのキレのあるスパイシーさは、好きな人はとことん好きですが嫌いな人は全くダメ。
味の主張が強いのでブレンドして特徴を和らげるのはなかなか難しいハーブティーだと言えます。
なのでより特徴を尖らせて元々好みの人にさらにおいしく感じるようなブレンドを紹介したいと思います。
おすすめのブレンドはこの2種類。
- ローズマリー
- ペパーミント
ローズマリーはスッキリとした味わいと独特な香りが特徴で、ペパーミントは歯磨き粉などでお馴染みな突き抜けるよう爽やかさが特徴です。
2つをブレンドすることでよりキレのある目の覚めるようなハーブティーになります。
頭をしゃっきりさせたい寝起きや大事なプレゼンの前などにおすすめです。
ジュニパーベリー:ローズマリー:ペパーミント(クラッシュ)=3:2:1
ペパーミントはこの中でも主張が強いので少量にします。
ジュニパーベリーは果実をつぶしてから5分煮だします、それからローズマリーとペパーミントを加え5分蒸らします。
これで超スッキリハーブティーの完成です。
ジュニパーベリーに関しては本当に微々たる差で好みの味かどうかが変わるハーブです。
上記は私のおすすめのブレンド比率ですが、全く美味しくない!と感じる方もいるでしょう。
重ねてになりますが、自分で比率を考えてブレンドするのもハーブティーの醍醐味です、ぜひ自分の好みのブレンドを見つけてみてくださいね。
その他のベリー系ハーブティー
ハーブティーのベリー系は上記の3種類以外にもあります。
- ワイルドストロベリー
- ラズベリー
- マルベリー
- アサイーベリー
などです。
ワイルドストロベリーとラズベリーろマルベリーはどれも果実ではなく”葉”をハーブティーに使用します。
果実は使ってもフレーバーとして1つ2つ入れる程度です。
アサイーベリーに関しては果実を使いますが、一般的に出回っているのはブルーベリーのような甘酸っぱい味に加工されたもので、ハーブティーというよりはフルーツフレーバーティーといったほうが近いのでメインには紹介しませんでした。
最後に
今回紹介したベリー系のハーブ「クランベリー・チェストベリー・ジュニパーベリー」はどれもベリーの名が付いていますが全く特徴は似通っていませんでしたね。
ベリーらしいハーブティーが飲みたければクランベリーを購入すれば間違いないですよ。
ネットではクランベリージュース用にドライナッツとして販売しています。
ハーブティーにも使えますので、気になる方はこちらを購入しましょう。
クランベリージュースもおいしくいただけますが、糖分が多いのでハーブティーにしたほうが体の負担も少なくておすすめですよ。