東京都町田市の工場で爆発事故がありましたね。
マグネシウムがあるためになかなか消火できないようです。
2012年にも岐阜県にあるマグネシウムを扱う工場で同様の火災があり、
鎮火までに六日もかかったことがありましたね。
何故マグネシウムがあるとここまで鎮火作業が滞ってしまうのか?
理由をごご紹介します!!
マグネシウムが消火しにくい理由!
何故マグネシウムがあることで消火に手間取ってしまうのでしょうか?
理由はマグネシウムの類稀な燃えやすさにあります。
消火をする際にはまず”水をかける”ことが頭に浮かぶと思います。
消防士さん達の装備も”水”ですからね、
水をかければ問題ないと思いますよね?
でもマグネシウムには水が通用しないんです。
これはニュースでも書かれていましたね、
火を広げるとか爆発するだとか・・・
何故水をかけても燃えるのか?
物が燃える時って空気中の「酸素:O(元素記号)」を使って燃えますよね?
ところがマグネシウムは特殊で、
空気中の酸素はもちろんなんですが、水:H2”O”から酸素を奪うことができてしまうんです。
しかも水から酸素をとってしまうと水素になります。
水素が空気中に大量に放出されそこに火がつくと・・・
酸素と結びついた水素が水素爆発を引き起こし、
そしてまた水が生成され・・・と連鎖的に炎上していくんです。
「じゃあ消化器を使えばいいんじゃない?」
それが消化器でもダメなんです・・・
マグネシウムの酸素の奪いっぷりは本当異常で、
二酸化炭素からも酸素を奪って燃えるんです。
動画を見ると二酸化炭素内で火の勢いが増しているのが分かります。
恐ろしい貪欲さです。
さらに言えば窒素とも結びついて燃えるので、
窒素ガスでも消火はできない・・・
「じゃあどうすればいいんだ!?」
となりますよね・・・?
でもちゃんと消火できるものがあるんです。
それは食塩です。
食塩は物質として非常に安定しているので、
これでマグネシウムを被って燃焼を止めることができるんです。
マグネシウム専用の消化剤や金属用消化剤に含まれているのは大抵食塩です。
あとは乾燥した砂。
とにかくマグネシウムを被って他の物質と触れさせないこと!
被ったらあとは鎮火を待つのみ、
そのため鎮火作業が滞ってしまうんですけどね・・・
マグネシウム合金の製品は燃えやすいのか?
マグネシウムがこれだけ燃えやすいと分かると、
マグネシウムを含んだ合金・製品は大丈夫なのか心配になりますよね?
ですが過剰に心配する必要はありません。
たしかにマグネシウムを含んでいない製品よりは燃えやすいかもしれませんが、
普段使いで突然発火するようなことはありません。
製品ではなく合金加工中に出たゴミなどが燃えやすく事故に繋がるので、
注意すべきはあくまで加工する場です。
航空機での大規模な事故を防ぐために、
燃えにくいマグネシウム合金も開発されています。
私たち消費者側が過剰に心配する必要はないのでご安心を!
コメントを残す